………え?



慎くんが、和泉くんを睨みつけていた。


和泉くんも和泉くんで、慎くんに目を向けている。



「ねぇ花宮さん。この従兄弟何とかしてくれない?邪魔で教室戻れないんだけど」

「え、あ、ごめんね」


そして何故か、私が和泉くんに謝る羽目に。




「慎くん」

「あ、栞里ちゃんっ」


慎くんの名前を呼べば、彼はいつも通りに私にニコリと笑顔を向けた。