思わず口にした卵焼きを吐き出しそうになって、早苗に「汚い」と怒られてしまった。



クラスメイトたちも騒ぎ始めて、卵焼きを必死で飲み込もうとする私に視線が集まる。




う、そんなに見ないでください。


飲み込みにくいじゃないですか。



手で顔を覆いながら飲み込むという謎の手段でやっと卵焼きを胃に入れた私は、ようやく私の名前を叫んだ元凶主へと視線を向けることができた。




「…って、慎くんじゃん。どうしたの?」



廊下側を見てびっくり。


そこには、笑顔で私に手を振る1年生のはずの慎くんの姿があって。