昼休みに入ってぐったりと項垂れる私を、目の前でお弁当を食べる早苗は呆れ顔で見つめる。


早苗の前の席を借りた私は、そこで一緒にお弁当を広げていた。




「今朝言ってた話はもういいわけ?」

「あー、うん。今はそれどころじゃない」

「あ、そう」


早苗にも聞いて欲しかったけど、席替えをした今、それは後回し。


まずは今の席に慣れることに専念するに限ると意気込んで、お弁当のおかずを口にした、その時だった。




「栞里ちゃーんっ!」

「…ゲホッ」



私の名前を呼ぶ大きな声が、教室中に響き渡る。