「もっとドキドキさせてあげようか?」 「へっ?………んっ」 驚く間もなく、私の唇に蒼くんのそれが重なった。 「可愛い、栞里」 「な…!なななっ」 「密会も悪くないね」 なんだか楽しそうな蒼くんに、私の顔はもう真っ赤。 それからもう一度唇が重なって、「栞里の好きな人は誰?」と至近距離で尋ねられた。 「そ、れは」 「それは?」 ズルい。 わかってるくせに言わせようとするなんて、蒼くんはやっぱり意地悪だ。