「おもかる石?」
「え、知らないの?要は占いよ、占い」
ふふっと笑って、早苗は何やら考え事をしてから、灯籠に置かれていた石を持ち上げる。
「まっ、こんなもんか」
「?」
何やらそれで早苗は納得したらしく、「じゃあ次は栞里ね」と私に視線を向けた。
え、待って。何が?
ちんぷんかんぷんの私に、早苗は呆れたように話してくれる。
「もう。伏見稲荷に来るならこれくらいは調べておきなよ。栞里は叶えたいお願いってないの?」
「当然あるよね」なんて確信めいたように聞かれて、私の脳内ははてなマークのまま、とりあえずコクンと頷く。
私に真っ先に思い浮かぶお願いなんて、ひとつしかない。



