駅に着くと、待ち合わせの時計の下ですでに蒼くんがいるのを発見。
黒のパンツに白のTシャツ。そしてその上からグレーの襟付きシャツを羽織っている蒼くん。
シンプルな組み合わせなのにそれがすごくカッコよくて、オシャレで。
「あの〜…、お一人ですか?」
「よかったら、一緒にご飯どうですかっ?」
そんな蒼くんを街行くお姉様方が放っておくわけもなく、蒼くんはたくさんの綺麗なお姉様達に囲まれてしまっていた。
それでも不安が少しだけで済んでいるのは、蒼くんがそのお姉様方を完全にスルーしているから。
「蒼くんっ!」
そしてその名前を呼ぶと真っ直ぐに私のところに来てくれるものだから、単純な私はそれだけで不安なんて吹き飛んでしまうんだ。



