「っ、だから、なんの話して…」

「久野さんのこと…!」

「…は?なんでユキが」

「ほらそうやって…っ、大事そうに名前呼んでるじゃん!」



ヤキモチだ、完全に。


好き過ぎて、こんなに黒い感情でいっぱいで。



あぁ、もう、全部熱のせいってことにできないだろうか。



「私っ、和泉くんにこんなに見てもらいたいのに…!」

「…あーもう、」



─────グイッ

「っ!!」


喚く私を包み込むように、肩ごと掴まれて寄せられたことに気が付いたのは、そんな一瞬の出来事だった。