和泉くんの考えてることはわからない。



いつものようにバチバチモードに入る2人に、初めて遭遇したらしい大原くんは目をパチクリとさせていた。



な、なんでこんなことに…。


私の部屋のはずなそこは、今や慎くんと和泉くんのバチバチで空気が張り詰めてしまっている。




「この際だからはっきり言いますけど、僕、あんたのこと大嫌いです」

「ちょ、慎くん…!?」


挙句に、慎くんはそんな直球な爆弾を投下し始めた。



「僕がこんなにもずっと見てきたのに、栞里ちゃんが僕より先に高校に入ったその一瞬で奪われるなんて。他に彼女がいる人に、栞里ちゃんは絶対に渡さないから」


キッと睨む慎くんから、その言葉から、あぁ、と思う。



今まで知ってる慎くんとは違っても、慎くんは優しい慎くんのままだな、って。