「落ち着いて。大丈夫だから」

「だって!」

「病人なんだから普通だろ?それに、ラフな花宮さんも可愛いから」

「っ、!?」


今、サラッと凄いことを言った気がする。



カァ〜ッと耳まで熱くなってしまったのを自覚して、ふいっと目をそらした。



バカ。和泉くんのバカバカ。


またそうやってからかって。



まんまと引っかかって一喜一憂する自分が悔しくて仕方ない。



「………くせに」

「え?」


"あの子が好きなくせに"



そう口に出た言葉は、幸いなことに小さすぎて和泉くんには聞こえなかったらしい。