寒いけど、熱い。


自分でもよくわからない温度感覚になっていたけれど、触れた和泉くんのひんやりした手は気持ちよくて、へにゃりと笑えてしまう。



「……このバカ」


そんな私に顔をしかめた和泉くんは「立てる?」と私の腰を支えて椅子から立ち上がらせてくれた。


けど、自分で思っている以上に足が覚束ない。



「…あっ、」



自分でも、凄く冷静に "倒れる" と直感した。


足に力が入らなくて、膝から崩れ落ちる。



ぼんやりとする意識の中でも、反射的に目を瞑った私を誰か褒めて欲しい。