「花宮さん」

「っ、」


HRが終わったその瞬間、後ろにいた和泉くんが立ち上がってわざわざ私の前まで回り込んで来た。


その立ち回りで動くちょっとした風ですら、寒くて鳥肌が立つ。



視界がボヤけていて、うまく和泉くんに焦点を合わせられない。




「悪い、触るぞ」


言っていることを理解するのですらが億劫で、それを理解するよりも先に、和泉くんのひんやりとした手が私の首筋に触れた。