エレベーターはすぐに29階についた。
ここは1フロアに2部屋しかないらしい。
その左側の部屋の鍵を慧さんが開ける。

「どうぞ」

「お邪魔します…」

おずおずとお邪魔する。

「そんなとこで突っ立ってないで中入ったら?」

「はい…」

「病人はさっさとシャワー浴びて寝ること!
分かった?」

「はい…」

慧さんの言う通り、シャワーを借りる。
真吾くん何してるかな。会いたいなぁ…。

シャワーを浴び終わり、リビングに行くと慧さんがお粥を持ってきてくれた。

「はい、栄養失調サン。これ食べて。それともあーんする?」

「大丈夫です。自分で食べれます」

あったかくて美味しい。

「食べたら検温して点滴するからベッドね」

「分かりました」