2人で歩き出してから40分ほど経っただろうか、森もひらけてきて広い敷地へ出た。

そこにあったのは館、というよりは施設、と言った方が合ってるかもしれない。

真っ白で窓の数はあまりない、なにか、こう、真っ白な箱のような建物で、近くには鐘がある。綺麗かと聞かれたらそうでもないし、汚いかと聞かれても別に特別汚いわけでもない。


リノン「地図の通りだと、多分ここだ。」

リノンが足を止めた。そして入口を探すために辺りを見渡す。

すると80mほど先にドアらしきものが見えた。

シノ「ここが入口か…」

リノン「これ、入ってもいいのかな?」

シノ「俺は早く帰りたいから中にいる奴に出口まで案内してもらおうと思ってるから入るぞ。リノンはどうする?」

リノンは即答だった。

リノン「いいい行くっ!」














ガチャッ………








ドアを開けた。両開きの大きな扉で女子が開けるには少し重かったが、今はそんなことを気にしている暇などなかった。




リノン「…こんにちはぁ…誰か、いませんかー…………」

声が建物の中を共鳴した。


数十歩歩くと大きな部屋に着いた。そこには長机が1つ置いてあり、そこにまた封筒が1枚置いている。

封を切って中身を取り出した。

そこにはこう書いてある。


*ここまで来て下さりありがとうございます。着いたばかりで申し訳ありませんが、302号室、303号室、405号室に他のお客様をお迎えに行ってほしいのです。よろしくお願いします。



紙にはこう書いてあるだけだった。

するとシノが

シノ「この建物には何人かいるのか…だが何故だ?どうして俺達が見ず知らずであろう人達を迎えにあがらなきゃ行けないんだ?」

リノン「た、確かに……けど人がいるならそこまで行って帰り道を教えてもらえばいいんじゃない??」

シノは黙っていたが小声でこう言った。

シノ「ホントにその人が帰り道を知ってれば、な……………………………………」