「おはよ〜」

私は挨拶をしながら教室に入る。

「…ぉはよ」
ハデめグループのうるさいぐらいの挨拶は、いつものように返ってこなかった。

やっぱりな…
昨日、やっぱ気に障ったんだ。

ハデめのグループじゃない子は、話しかけてくれる。

でも…
みんなの目が、私を孤独に感じさせた。

(仕方…ないよね)
私は静かに自分の席に座り、
授業が始まるチャイムを待った。



「よっし、売店いこーぜ!!!」
「急げ!焼きそばパンなくなる!」

昼休みになり、そんな声がとぶ中
私はまだ自分の席に座っていた。

1人って、こんな感じなんだ。

ずっと恐れていた〝1人〟。

初めての経験で、この気持ちをなんて表したらいいかわからない。

簡単にいうと、
すがすがしい気持ちもあるけど
怖い し 寂しい。

1人、お弁当を見ながらふと考える。

黒沢くんは…なんで平気なの?

いつも1人で…今日だって1人で屋上にいるだろう。

怖くないの?

寂しくないのかな?

考えているうちに、足が動き出していた。
お弁当も持たずに、屋上へ–––––––––––