そして、さらに4時間後…
「花さん!もう子宮全開だわ!」

「分娩室移動するからね!」

あぁ。いよいよ終わる…。

「旦那さんも、立ち会ってください。」
「えっ!?俺もいいんですか?」

「ええ。奥さん励まして上げて!」

いよいよ分娩台に乗る。
早くこの痛みから解放してほしい…
でも、待っていたのは、ものすごい激痛だった。

「花さん、しっかり呼吸してくださいね?ヒッヒッフー、ヒッヒッフー」

「ヒッヒッフー…ヒッヒッフーアァ!いったい!」

「頑張って!赤ちゃんも辛いからね」

「花さん、次ちょっといきんでね〜」

「はい。」

「じゃあ行くよ〜」

「せーの!」

「フーッ!」
いった!股が張り裂ける〜
マジでもう無理!もう無理!!

「センセ、もう無理です…」

「まだ大丈夫!!次で終わるよ!」

「セーの!」
ううん!
おぎゃーおぎゃーおぎゃー

「おめでとうございます!元気な女の子ですよ。」
私は、痛かったのかもしれない。
辛かったのかもしれない、苦しかったし、怖かったからかもしれない。
でも、胸に乗せられた天使は、そんなこと思ってもみない様子で、すっごく元気に泣いた。
私はそんな様子を見て、涙を止めることなんかできなかった。

「うっ、うぅ…」

「ママのとこに、来てくれて本当にありがとう…。これからよろしくね。」

横を見ると、私以上にすごい顔をして泣いている人がいた。

「ふふっ。あはは!友也〜泣きすぎたよぉ〜。 」

「だって、俺、ずっと後悔してた。
花が俺のせいで、苦しい思いして、痛い思いしてるんだと思うと、すっごく辛かったよ…
でもさ、俺たちの子見たら、よかったと思った。
俺の血を受け継いだ子がここにいることが、すっごく幸せだよ…」

「私も幸せだよ。これから3人で幸せになろうね!」