「何が何でも産みたいっていうんだろ?」

私が言おうとしていたセリフをお父さんが言った…

「父さんだって、お前に下ろすなんてさせたくない…産ませてやりたい…でも、それで花が傷ついたり、大変な思いをするのなら、下ろした方がいいと思うんだ。」

お父さんの目は本気だった。
いつになく真面目な顔をしていた。

「お父さん…、私は産むよ。
これから、どんなに傷つく結果になっても、どんなに大変でも、私は絶対この子を手放したりしない!だって…
このこだって、桜崎家の一員でしょ!?」

「あぁ。そうだな。頑張ろう。家族みんなで乗り越えるんだ。」

「うん!」

これで全てがうまくいった…そう思った時だった。

「だが、育てるのは私たちだ。」