青春は優しさを詰め込んだ星空のように輝いていた。




「あ、ありがと…」


今までほとんど無表情だった顔が安堵したようにふっと緩まる。


ドクン、と心臓が嫌な音を立てる。

絵の具が広がってくみたいに私の中でなにかが広がる。


なに、、これ、?

知ってる、この表情。


知ってるはずなのに、頼りなく彼を見つめる。


私の視線に気がついたのか、また無表情に戻り私を立たせてくれる。



「相変わらず…ドジだな」


「っ、!」


彼は私のことを知ってるの?


お願いだから、、出てこないで。


不規則に鳴り続ける心臓が怖くて、ぎゅっと胸元を握る。


「夜桜く、」


「星夜でいい」


「え?」


「嫌いなんだよ、この名字」


「そっか、星夜くん行こう?」


星夜くんは頷くと、私の1、2歩先を歩く。


良かった、これで私の顔は彼から見えない。


こんなぼろぼろな顔、見せるわけにはいかない。