青春は優しさを詰め込んだ星空のように輝いていた。




ゆるゆると視線を上に上げれば、星夜くんもとい夜桜くんが訝しげに私を見ていた。



「帰るぞ」


私の手を引き、有無を言わせず教室を出る。


そして私もそれに抵抗することをせず身を任せる。



「…」


「…」


聞きたいことがたくさんあるのに、声を出すこともできない。

口を開いては、閉じての繰り返し。


ただ無言で、繋がれた手にそっと視線を向ける。


他の部分はとても冷え切っているのに、繋がれた手だけに熱が集中していた。



「ねぇなんでさっきから無言なわけ?」


図書室や音楽室がある特別棟と職員室や教室がある一般棟の間にある渡り廊下で足を止めると夜桜くんはそう言った。