寒い。
また家を抜け出してきた。薄いパーカーとチョコレートを持って全速力で走ってきたせいでまだ息が荒い。
星空が見えるこの公園は私にとって唯一の居場所だった。
草の上に座って一人チョコを食べていたら、熱いものが頬を伝った。
「お?先客?……」

ん?この声どっかで……

振り向いた途端にフードをひぱった。
そこにいたのは同じクラスの私が世界一大嫌いな爆轟 頼鬼がいた。
その綺麗な顔立ちと美しい白い髪がとても目立つ。
当然モテるのだ。
はやく帰ろう。と立ち上がって走り出そうとした途端。
身動きが取れない。ん?どうした?
頼鬼に腕を掴まれていた。
「お前さ?何でこんな所にいるの?
危ないだろ、霧崎 涙さん。」
なんで私の名前知ってるの?
「それはねクラスで目立ってるからかな?」
え。心の声が漏れてた。
コイツなんて言った?私が目立ってる?
それより…………
「なんであんたこそこんな所にいるわけ?」
「はぁ?星を見に来ただけだけど?」
その目は何故か切なく見えたのは気のせいだろう……
「そうだなぁ一緒に見るか。星」
「うん」
なんでこいつといるんだろう。綺麗だなぁ星。寒さなんてもう、さっきの事ももう
忘れられた気がした。


ん? んんんんんん?
ここはどこだ?
「おお〜起きたか?朝ご飯食うか?」
「なんで私ここに居るの?ここはどこ?」
「ここは俺の家」
あの後の記憶がない


おーい



なに?
「とりあえず飯食おうぜ腹減ってんだ」
「アンタの親は?」
「んー気にすんな」
まあいっか人の家庭事情に首を突っ込める訳でもないし

「でさ、なんで私ここにいるの?」
「あの後さ、きずいたらお前寝てたんだよ
だからお前の家に行ったんだけどー、
なんか入れそうになかったから、外にいても凍え死にそうだったから
うちに連れてきた。」
何故かは分からなかったけれど私は凄く……久しぶりにホッとしていた気がした。


おい
おい涙!



「はい!涙です!」
ブッ「もー、ちゃんと聞いてたか?
飯何がいい?あーそんな難しいのは無しな?」
「何笑ってんの」
「教えねぇ〜何食べたいか早く決めろよ」
その瞬間昨日のことが頭をよぎった
これ以上頼鬼に迷惑はかけれないと思った
「頼鬼ごめん帰るね。」
「えっいきなりなんだよ飯くらい食っていけよ」
「よ、用事思い出したから、ごめん」
「待てよ。じゃあその用事ってのを聞かせてくれたら返してあげる。」
え…用事なんてないなんて言ったら怒るよね……どうしよう
「ほら。やっぱ用事なんてねーんだろ。」
「何でそんなしょうもない嘘つけるんだよ平気で あの日だって…
「え?最後何て言った?」
「何でもねぇよ。とりあえず用事がねぇならウチにいろよ。
行くところあんのか?」
「はぁ?」
「あんたに私の気持ちがわかるわけないじゃん!何も知らないくせに…」
泣くな、泣くな、泣くな
「知ってるよ」
「え?」
もう何にも分からなかった。
「帰る」
「昨日はありがとう、助かった。この恩はいつか返すから。」
そして私は頼鬼の家を飛び出した。
しかしこれから頼鬼とまた関わって行くとは思いもよらなかった。