「でもさ。この間・・・琴美ちゃんが他の男と一緒にいるの見てすごくむかついて。ベタベタ触ったりしかも琴美ちゃんのこと・・・呼び捨てで呼んだりして。それでようやくわかった。自分のしてきたこと。どんだけ琴美ちゃんを傷つけてきたかって。仕事だって割り切れば何をしてもいいって思ってたんだよね。でもそんなの異常だって気づいた。オレほんとバカだったよ」

吉岡くんが体を私のほうに向ける。

「バイトももう辞めてきたし、もしあいつと付き合ってないんだったら・・・いや付き合ってたとしても、オレのこと選んで欲しい」

やだ涙がでてくる。

「お願いします。オレと付き合ってくださいっ!」

吉岡くんが頭を下げてそう言った。

これは・・・夢なのかな・・・

「えと。私のほうこそお願いします」

私もつられて思わず頭を下げた。なんだこれ。顔を上げたら目が合っておかしくなって2人で笑う。

絶妙なタイミングでマスターが何かを運んできた。

「はい。これ新作。サービスね」

でっかいチョコパフェにスプーンが2つ。

マスターの粋な計らいにまたおかしくなって笑う。

「初めての共同作業ってやつだね」

パフェの上のやたら存在感のあるチョコソースのかかったアイスクリームに2人でスプーンを刺した。

幸せの味だなとしみじみ思った。


~めでたしめでたし~