「あはは。おもしろかった」

高田さんが車を運転しながら笑ってる。

「高田さん、いつから気づいてたんですか?」

「そりゃ最初から気づいてたよ。だって彼タダでさえ目立つしなんかこっちのことすごい目で睨んでたもん」

そうだったんだ。なるべく見ないようにしてたから気づかなかった・・・。

「なんかイチャイチャしだして腹立ったからこっちも見せ付けてやろうと思ってさ。でもまさかガチで絡んでくるとは思わなかったけど」

高田さんがおもしろそうに言う。

「いやー、若いっていいねぇ」

「もう心臓止まるかと思いましたよ。いろんな意味で」

ほんともうびっくりした。いろいろと。高田さんにやり込められてる吉岡くんがちょっとかわいそうだったな。

「でもさ。これであいつも少しはわかったんじゃない?牧野がなんで傷ついたのかさ」

高田さん・・・。

「なんだか・・・ありがとうございます・・・」

ほんと高田さん優しいな。

「いやオレが楽しかったから。なんか若い頃思い出しちゃったよ。彼女は大切にしてやらないとな」

若い頃って・・・私と5歳しか違わないのに。

「高田さんの彼女は幸せ者ですね」

素直にそう思った。