乱れた呼吸が、スイートルームに溶けていく。

 口づけの合間に紘平を見つめれば、そこには切なげな顔があって、みのりの心を激しく揺さぶった。


「…せんぱ…っ」

 名前もろくに呼べないほどに、キスの嵐に襲われる。

 抱き締められたまま、もつれ合うようにして進んだ先。


「あ…っ」


 重なり合うようにベッドに沈んでいく。

 キングサイズのベッドに仰向けに倒れ見上げると、紘平は覆い被さるようにしてみのりを抱き締めた。


 その強さに紘平の欲の強さを感じて全身が震える。


 すっかり乱れてしまったリボンを解かれ、制服のボタンに彼の手が掛かる。

 ひとつひとつ外すたびに、恥ずかしさに目を瞑った。


「…怖い?」

 シャツがはだけ胸元が開いた時、紘平はぴたりと手を止めた。

「…いいえ」

 ゆっくりと首を振ると、紘平が額に唇を押し当てた。



「…先輩といっしょになりたい」

 そう囁くと、紘平がみのりの指先を絡める。

 上から甘く見つめられ、息が詰まりそうだった。



「俺も、篠田が欲しい──」