翌日。
少し早く家を出て、学校の体育館に顔を出す。
体育館から聞こえてくるのは威勢のいい掛け声と、不規則なドリブルの音。
「集合ー!礼!」
ありがとうございましたー!
部員がそれぞれ片付けに入った時に、探していた人物を見つけて声をかけた。
「あ!ちーちゃん!」
「ん?あぁ、…って結愛!?」
朝練終わりのちーちゃんは驚いて駆け寄ってきた。
首元に滲む汗が青春を感じさせる。
「朝練お疲れさま!」
「ありがと。
にしてもどうしたんだよ、こんな朝早くにさ」
「ちーちゃん今日の放課後、部活ないでしょ?
その…相談したいことって言うか、頼みたいことがあるんだねど…ちーちゃん時間空いてる?」
「ん!特にないからいいけど…」
ちーちゃんの返事に嬉しくなったけど、それはちーちゃんがニヤニヤしたことで体が固まる。



