「あ、そうそう」
遅い夕飯を食べ終わってマグカップをお母さんのいるキッチンに持っていくと、食器を洗っていたお母さんが口を開いた。
「今週の土曜日、芽依の6歳の誕生日なのよ。
それで夕飯に結愛も含めてみんなでケーキ食べたいって芽依が言っててね?
結愛、その日はバイトあるの?」
「…あ、うん。
昼間がガソリンスタンドで、夜はいつもの居酒屋だよ」
居酒屋の土曜日は特に忙しくて、スタッフがたくさんいてもてんやわんやだから土曜日はほとんどバイトを入れている。
でもせっかくの芽依ちゃんの誕生日だし……
「どちらにしても途中参加になっちゃうけど、店長に早上がりに出来ないか聞いてみるよ!」
「ほんと!?芽依もきっと喜ぶわ!」
お母さんは花が咲いたように輝かしい笑顔をみせる。
それにつられるように私も嬉しくなって笑った。



