気がつくと、僕はさっき飛び出したはずの家の中に居て、
何となく見覚えのある小さな男の子と亡くなったはずの母さんの前に立っていた。

...ここは、天国なのだろうか。
ということは、僕は...あの車に轢かれて死んだ?
母さんのおなかが大きいから、多分だれかを妊娠してるときだ。
でも、僕は、母さんが誰かを妊娠していた時を知らない。
じゃあ、あの男の子はいったい...誰だ?

僕の頭の中が混乱して現状把握ができなくなっていると、

「翔斗」

母さんが目の前に突っ立て居る男の子のものであろう名前を呼んだ。

‥.え?「翔斗」?誰だそれ。