隣の殺人鬼




「お付き合いしている人というか・・・
婚約者がいます。」


「ちゅどーーーーーーん!!」


「おい!こぼすなよ!」



大野さんが撃沈し、テーブルに飛び散ったウーロンハイを俺と松岡さんと青木さんで一生懸命拭き取る。



「ガハハハ!安心しろ大野!

青木はこう言ってるけど、入社以来ずっとこの台詞を言い続けてるんだからな。」


「城島さん、本当ですよ。」




「まぁお前に群がる男達を振り払うのには効果てきめんだが、

そろそろその嘘はもう通用しないぞ。
というか皆信じてないし。」


「磯村さんまで・・・。
本当ですって。」





・・・・どっちなんだ?嘘なのか?

でも入社以来ずっと“婚約者がいる”って言い続けて未だに結婚していないって事は、やっぱり・・。


「結婚はされないんですか?」


「うーん・・。そうだね。
もうちょっとかな・・?」




「鳥越君そんな真剣に聞かなくてもいい。
青木は決まってそう言って誤魔化しているからな。」

松岡さんも“いつもの光景”という感じだった。





「婚約者さんの写真見せてくださいよ!」

撃沈していた大野さんが起き上がる。



「写真は無いです。」


「えへへ、そうですか。」

大野さんが元気を取り戻した。