隣の殺人鬼




「松岡!まぁそういじめるなよ。
仲良くやろうぜ。」


磯村課長が助け船を出してくれた。



「・・・松岡さん?

お言葉を返すようですが、鳥越君の仕事を覚えるスピードと飲み込みの早さは、私や磯村課長の予想を大きく上回っています。

もう既に彼に1人で任せている仕事もありますし。」



青木さん!
そう言って貰えてめちゃくちゃ嬉しいな。



「それに鳥越君は商業高校出身ですから、エクセルやパワポの知識も人並みにちゃんと持っていますよ。」



「フン!青木は随分鳥越君の事を可愛がってあげてるんだな。」



うわぁ・・・。

向かい合って座る青木さんと松岡主任から、“バチバチッ”という火花が飛び散っている気がする・・。





「松岡主任、もうその話はいいですよ~。
第一、どっちが上かなんて気にしてないですよ。ねぇ?鳥越君。」



大野さんは結構能天気なタイプなのかな?
前にいた部署の後輩、加藤ちゃんみたいだ。



「はい。むしろ僕はまだまだだと思っているので、松岡主任とも、大野さんともこれを機会に仕事でも良い関係が築けられれば嬉しいです。」





「聞いたか城島!
人間出来てるだろこいつは!!」

「ガハハハ!ちげーねぇ。」


W課長の大笑いでこの場は一旦収まる。


・・・事の発端はこの人達なんだけどな。





「・・・・・。」

松岡主任もこれ以上の議論は無駄だと諦めたのか、持っていたグラスを飲み干してレモンサワーを注文する。