「大野・・今日の目的を忘れてないか。」
松岡主任は至って冷静だな。
続けて松岡主任がW課長の方を向く。
「それで、“大野と鳥越君で、どっちが仕事できるか”って言い争ったようですが、
どうされるおつもりですか?」
「おお!それならもうどっちでもいいや!」
「「えー!!!」」
松岡主任と俺が同時に声を出す。
「まぁ細かいことはいいじゃねぇか。
それぞれ仕事頑張ってるんだし。」
W課長・・・。
あんたらが言い出したことだろ・・。
「そうですよ松岡主任。
せっかく今日は青木さんと一緒に飲めるんだし。」
大野さんもあまり気にしていないようだった。
青木さんはこのやり取りを見て終始控えめに笑っていた。
「僕は言うまでも無く、大野のほうが仕事できると思っていますよ。
鳥越君を否定するわけでは無いが、大野のほうが年齢も、社歴も、営製管理部の経験も、全て上回っている。」
松岡主任が持っていたビールを一口飲むと周りを見渡しながら力説する。
「それに君は高卒なんだってね?
大野は京大出身だ。」
うっ・・・。
学歴を出されると俺には勝ち目が無いんだよな・・。



