―――――― 車で待っていると、社長がスーツケースを引きながら、たどたどしい足取りで家から出てきた。 憔悴しきっている・・・ いや・・二日酔いもあるのか・・。 それは飲み過ぎた翌日に現れる雰囲気に似ていた。 「・・・・・・すまないね。」 社長が車に乗り込む。 「社長・・。」 「ここに、行ってくれ。」 社長は住所が書かれたメモを渡してくる。 「分かりました。」 すぐにカーナビにその住所を打ち込み、車を発進させる。