隣の殺人鬼





佐竹さんが一通り説明すると、田村社長が持っていたコップを置いて両肘をつく。


「簡単に言えば、今の営製管理部で仕事を続けながら、

私が西田社長と会う時だけ“出張”という形で助っ人に来てもらうということだね。」


「どうして僕を・・?」



「あのおじいちゃんね、若い男の子が好きなんだよ。」


・・・は!?

思わず固まる。




「いや誤解を招く言い方をしてすまない。
決してそういう意味では無い。

むしろあのお爺ちゃんは、いまだにキャバクラ通いをやめない女好きだから安心してほしい。」


「びっくりしました・・・。」



「ただ仕事となるとこれがまた・・・
男尊女卑の偏見を持つ頭の固いお人でね。

西田社長は高校を卒業後、一代でニシダ製作所をあそこまで大きくした。

だから特に“高卒”の若者には特別思い入れがあるらしい。

そんな人と会う時には君のような若者が一緒にいてくれると助かるんだ。


営業部がニシダ製作所と契約締結を進めている中、

私はずっと西田社長との付き合い方を考えていた。

そしてあのプレゼンで君を見つけたということです。

新規取引先なので最初の1年ぐらいだけ頼めないかな?
その後は適当に付き合っていくから。

勿論それ相応の給与はお支払いします。」