ぶぉーんと、焦げ臭い匂いを撒き散らしながら一台の車が通った。その中に1人の青年が窓を見つめていた。景色は桜が満開の春景色から一変して、貧相な住宅街へと変化していった…

見るからに治安が悪かった。
車から降りる。と、同時に砂埃が少しだけ
足元で舞う。重い荷物を背負い、基地へ
向かう。皆で足並みを揃えて向かう。
貧相な田舎は、見ただけで犯罪が多く、貧乏人が多い。そんな景色を見ながら歩く。

五分後…
基地へ到着した。
長時間車の中で揺られていたので
疲れがMAXだ。
今日は早く寝たい。そう思った。
基地の責任官が話をし、部屋を一人づつ
基地の人が案内してくれた。
入ると、一人一部屋は嬉しいが、
あるのは簡素なテーブルと椅子。
鉄のベット。鉄格子付きの小さな窓。と、棚。
それだけだ。裸電球はとても小さい。
まるで、独房に入れられた感じがした。
コンコンと、音がして、ガチャッと誰かが
ドアノブを回し入ってきた。
来たのは、薄水色の両はしだけ結んだ髪型。
軍服でスカート。ブーツ。白く短い手袋。
「失礼します。今日から、配属された方ですね
私は、佐奈田 由良 さなだ ゆら です。
よろしくです。」
「暁 垓夜だ。よろしく。」
「挨拶に来ただけですので。
失礼しました。」
ガチャリ。
そういえば、今まで基地で女の人は見たことが
なかった。この地の軍人の人数が足りないからか?そんなことを思いつつ、ベッドに横たわった。ドス。埃が少し舞い上がった。
今日のこともあってか、いつもより早く、
そして深く眠りについてしまった。