ある日、狂った男がこの部屋に入ってきた。

にやけながらあなたの髪をわしづかみ、引き摺るようにバスルームへ連れていった。

気持ちの悪い高笑いと、あなたの悲鳴が聞こえた。


だんだん悲鳴は小さくなって、ついに男の高笑いにかきけされてしまったとき、男が満足げにバスルームから出てきた。

血走った両目でこちらをとらえ、息をきらしながら向かってきた。


「はは、あはは、いいものをやろう!!」

男の手から注がれたそれに、白い花弁が赤く染まった。

茎を伝って垂れた液体は乾いた土に染み込んだ。


「ひっひっうまいだろう?!」

蔑むように見下ろして男は言った。



ああ、甘い。

あなたのそれを甘いと思ってしまった。