よく当たると噂の占い師。

駅前の古びた商店の前、擦りきれた文字の書かれた看板の下に、占い師のイメージにぴったりの濃い紫のベールをかけた女がいた。


「何を知りたいですか?」


真っ赤な口紅からチラチラと黄ばんだ歯が見え隠れする。


「け、結婚について…お願いします」


聞くところによると的中率は百パーセント。

それ故にかなり緊張する。



「あなた、結婚は……」

彼女は固く目を閉じて、探るように私の前に手をかざした。


ゴクリと自分が唾を飲み込む音がした。


「残念ですが、出来ないでしょう」

「えっ!?」

それって私は生涯独身ってこと!?


「可能性は全くないんですか!?」

ショックでつい詰め寄ってしまった私を押さえて、彼女は冷静に頷いた。


そ…そんなあ……

「…じゃあ……仕事は?」


この場合バリバリ働く女になるって感じよね!?