「作戦、成功です。さすが博士」

「いやあ、ちょっとした幻覚を見せる薬じゃがのう」

スーツを着た何人かの男たちに囲まれて、白衣を着た白髪の老人が遠慮ぎみに笑っていた。

「何をおっしゃるんですか!博士の協力のおかげで彼女は助かったのですよ」

「そうです。証拠もなく、被害者の居場所も分からなかった。あと少し発見が遅れていたら彼女は死んでいました!」

そんな老人のようすを見て周りの男たちは興奮して言う。


「しかし、あんなところに隠していたとは……飲まず食わずで1週間、かわいそうに……」

「そうじゃのう。彼女には大きな傷跡が残ってしまうかもしれんなあ……」


狭く薄暗い部屋には、悲しげなため息が立ちこめていた。


「そう言えば、犯人の男、自分の口も怖がって開けずに食事も喉を通らないらしいですよ」

部屋の中でも若めの男が、神妙な顔つきでそう言った。

「自業自得という言葉がぴったりじゃな」


見回すと、部屋には妙な形をした器具や瓶に入った怪しげな液体がずらりと並んでいる。

「博士、これからも協力お願いします」

「おやおや、あんまり頼りすぎずに君たちもがんばるんじゃぞ」



END.





プチアトガキ

ホラーとは少し違うかな、と思います。
まあただダジャレが言いたかっただけという……