物心ついた頃には、隣にはいつも絵本があって。

その大体が王子様とお姫様の物語。



ついでに言うと、パパとママはいつもラブラブで、毎日のようにイチャコラというものを見て育ってきた。

そんな両親は「詩音にもはやく王子様がお迎えに来てくれるといいわねえ♡」なんて呪文のように言ってくるもんだから、そりゃ誰だって王子様を信じたくもなる。



周りにLOVEが溢れていた。


そうすれば、自然と私みたいな恋愛ってキーワードが脳の半分以上を占めている能天気な子が生まれてくるってもんよ。



「いいこと?高校ではね、私の王子様を探すって決めてるの!幸せに暮らすの!

桃に、運命の恋ってやつをみせてあげるわ!!!」