女の子には、誰にだって1人の王子様がいるんだから。
まだ現れないのは、王子様がまだ私のことを見つけてないからってだけなのよ。
「ねえ。ほんっとにいつもいつも言って申し訳ないんだけどさあ。
学校にまで絵本持ってくるのはナイわぁ~」
女子高校生でしょ?なんで絵本なのよ。
そんでさぁ、えぇ?何回ページめくったのよヨレヨレじゃん。
なんていつものようにグチグチと文句を垂れるのは、あたしの友達の栗山 桃(クリヤマ モモ)。なんともおいしそうな名前が特徴で可愛いのだが、本人にとっては覚えられやすすぎるから、とかなんとかでコンプレックスらしい。
あたしは可愛いと思うんだけどなぁ。
「そ~れ~に!!本を両手で抱えて上目遣いしないで!あざとい!今時そんな大事そうに絵本抱えてる人、そうそういないわよ!?」