夢の通路

一週間くらいして、やっと目通りが許され、姫様にお会いした。

葵様と呼ばれていらっしゃって、とても可愛らしくていらっしゃる。だけど、印象に残ったのは、そこではなく、目が紅いな、だった。

確か、初めてお会いしたのは、夏だったと思う。

葵の襲の衵がとても綺麗で、似合っていた。羨ましい。

それに、髪も長くて、ふさふさと多くて、女房も女童も皆羨ましがっていた。

慣れない女童勤で、一番大変なのは、敬語かしら。でも、叔母様(と呼んでいる)は、教養を押し付けてきたから、何とか出来た。