携帯のディスプレイに映るのは陸の横顔。実は寝てる所をこっそり撮影したものだ。

長いまつげと、小さい唇。

少し長めの髪が額を隠して、風に揺れるようにその毛先が頬を撫でる。



「可愛い。好き過ぎ…」



こういうのって普通男の方がするもんでしょ?

でも私がやっちゃうくらい好きなんだよね。



陸もこんな風に私を想ってくれてたらなぁ。




「もしもし…?」

「あ、陸?まだ寝てなかったよね。ちょっと聞いてよぉ〜」



とりあえず飲み会の状況を少し大げさに説明する。

だって時間的にはまだ早いけど、その方が陸が早く迎えに来てくれるかもしれないし。

もちろん、私が他の男に襲われることを心配してさ。



「それで私にしつこくくっ付いてくるんだよ?なんかこの後二人でどっか行こうとか言うしさ」

「ふ〜ん…」



ほら、不機嫌になってくる。

この態度が、私の胸をぎゅ〜ってさせるの。



「だから迎えに来いって?」

「うん、別にどっちでもいいんだけど。陸が暇ならね」