なんかすごいムカツクんですけどぉ〜?
私は陸に抱きしめられてる頭をぐっと胸から離して、陸の顔を真っ直ぐ見た。
「陸!普通そういうの女の子から言わせる?ちょっとサイテーなんじゃない?」
なんか悔し過ぎるもん!
そういうのは絶対男の方から……
「だってこっちを柚からさせるわけにはいかないじゃん」
「は?なに…が……」
離れた右手が、そっと頬に触れる。
広くない車の中で、全身にあった感覚が唇一点に集中する。
その唇が重なるたびに、想いは溢れるように気持ちを高めて。
結局こうやってドキドキさせてくれる陸も、大好きなんだよね、私。
「陸…」
「柚、どうする?本当に眠いんだったら今日は自分とこ帰った方がいいと思うけど」
「…………?」
はっ???
もしかしてそれも計算ですか!
そういうこと言って、また私をドキドキさせて。
「か、帰るわけないじゃん」

