「だから…、キスマーク!これ!こんなの付けて家帰れないし」
自分で墓穴掘るような理由出しちゃったけど、でもホントに今はなんでもいいから
帰りたくない。
「オレ取る方法知ってるよ?」
「えっ……?」
別にそんなの教えてもらえなくてもいいけど、とりあえず聞き返した。
そのおかげで、やっと陸の横顔を見れた気がするし。
「ど、どうやって…?」
「吸って付いたんだから、逆に吹けばいいんだよ」
「へ!?」
…なに言ってんの?
天然にもほどがあると思ったけど、なんか今はそれに合わせるしかなくて
「そっかぁ〜、そうなんだ。……ん?でもそんなの自分の口じゃできないじゃん。とどかないし……って」
うっ…!
いやな汗が流れた。
だってなんかそれって、陸を誘ってるみたいだし。
結局そうやって陸の気持ちを引き寄せてるみたいだし!!
「いや…、まぁいずれ消えるから別にいいかな」
私が苦し紛れにそう言うと、陸は車を道の隅に止めた。

