思ってた道と違うことに気が付いて、私はさっきよりずっと不安になった。
だってこの道…
「どこって、柚の家だけど?」
うん、そう。私の家。
私の家の方向だ。
でも今日は陸の部屋に泊まっていこうと思ってたし
っていうか、
今は離れるのイヤだよ…
「陸、ダメ!うち帰らないで」
「なんで?」
「な、なんでって……」
それを、言えなくて。
言い慣れてなくて。
ううん、言い訳だ。私が一番ずるいんじゃん。
陸の気持ち誘うことばっかり考えて、自分からは何も伝えられなくて。
「ね…眠いからだよ!陸の部屋の方が近いし早くゆっくり寝たいの!」
「それなら自分の部屋の方がゆっくりできるだろ?」
ちがう!
なんで気付いてくれないの?
帰りたくないって言ったら普通分かるじゃん!
それでも私は、本音とは違う理由を必死に探してた。

