なにげにショックなこと言われて、落ち込んで悲しいのに
陸のそういうセリフに、またきゅんとなってしまう自分が悔しい。
なんか、ずるいな陸。
でも結局私には立ち向かえる方法がひとつしかなくて。
「そ、そんなこと言ったって、陸が遅いからこんなの付けられたんだからね!」
陸の顔も見れないくせに、いつまでも強気で意地張ってた。
そしたら陸は
「うん、ごめん。もっと早く行けばよかったんだけど、なんかオレ情けないなーとか思って悩んでたら、出るのちょっと遅れた」
そんなふうに謝ってきたの。
陸は全然悪くなんてないのに。
私がバカなだけなのに。
私が言えることなんて、もう何も無い気がしたんだ。
どんなに陸を誘おうとしたって、自分が素直に言えないくせに何も望めないもん。
街の灯りがどんどん流れて、少し高い坂を上ると夜景がキレイに見えて。
ほら、やっぱりこういうのは好きな人と一緒じゃないと…
あれ……?
「陸、どこ向かってるの?」

