そしてそれに対して、竜介も全然ひるまないし。
「別に〜。どんな奴かと思ってたけど、結構勝てそうかなぁって思っただけ。柚ちゃんの首にはしっかりオレのもの印も付けさせてもらったしさ」
嬉しそうに私の首を覗き込む。
もぉ〜、バカバカバカ!
あんたなんかが陸に勝てるわけないでしょ!
しかもオレのもの印って…!
「知らないだろ?柚ちゃんて可愛い顔してる割にかなり色っぽい声出すの。悪いけど先に聞かせてもらったから」
もう心臓が破れる!
うぅ〜っ、こいつめちゃくちゃムカツクし!
恵美の知り合いじゃなかったら、とっくに蹴飛ばしてるんだから!
なんだか私は、もう別の意味で泣きたくなってた。
「だからそれが何。それを先に聞いたらなんかすごいの?先に聞いた方が柚のこともらえるの?」
はっ???
もらえるって……陸??
「いや、順番は関係ないけど。でもこの先お前が聞けるとは限らないだろ?」
「……」
無言で私を振り返る陸。
い、今はこっち見ないでほしいんだけど。
しかもそういう質問でさ。

