これはなんか一層まずい雰囲気になった気がしたから、さっさと車に乗って帰っちゃおうと思ったんだけど。

後ろにはまだ厄介な男がいて(汗)



「へぇ、お前が噂の男か。柚ちゃんの好きな人」

「ち、ちょっと!!」



私は慌てて竜介を見た。

一瞬で全身に熱が回って。

だって、だって

私は陸に一度も好きだなんて言ったことないんだもん!

それを勝手に言っちゃわないでよ!



なんか、もうヤバいくらいに頭は真っ白になるし、ドキドキ心臓が暴れ過ぎて、生きてるのかどうなのかもわからなくなってくるし!

全然パニックで、言葉も出なくて。


恥ずかしすぎて立ってられない!

今すぐ消えたい〜!!



でも、オロオロしながら焦る私を前に、意外と陸は冷静で。

なんか言ってよ。

ううん、やっぱり何も言わないで!

聞くのコワイっ…





「それが何?」



陸…?

しばらく黙ってた陸は、そう言ってゆっくりと竜介に視線を投げ掛けた。