「……ご、ごめんなさい……」









「……まぁ分かればよろしい。しばらくは電車とかで学校おいで?」








「……うん。」









いいんちょーも泣きそうになってるところで俺は半ば強制的な1つの提案した。









「じゃお説教も終わったことだし、いいんちょー保健室とここどっちがいい?」









「え、保健室は嫌!」









「じゃここに布団敷いてあげるからちょっと寝てな。まだ始業まで50分もある。ただでさえ久しぶりなんだからちょっと休みな。」









「いや……でも……」









「大丈夫。俺も清貴も双子もいるし。」









この音楽室は吹奏楽部員が合宿で使うこともあるため、布団類が大量にある。




久しぶりに体を動かしたんだろうから、少し休ませた方がいいと思った。




布団を敷いてあげれば、いいんちょーはすぐに寝て、やっぱり疲れていたのだろうか。




いいんちょーが寝ている横で、キヨがお弁当を食べ始めた。









「もう弁当食べんのかよ。はえーよ。まだ朝だぞ。」









「ん?昨日までの提出物だしてなかったから朝早く来て出したんだよ。だから朝食べてないの。」









「あぁ。だからあの時間にいたのか。キヨにしては珍しいと思ったんだよな。」









「そう言えば、普段なら絶対学校にいない時間だってわかってるのに、なんで俺に電話したの?」









「いや、自転車あったから。」









「あぁ。なるほど。」









そんな俺らの会話を他所に、今のところ何もしていない双子の片割れは楽器を磨き、もう片方はいいんちょーの手首を握っていた。









「おい猿、お前いいんちょーの手握って何してんだ。」









「いや、いいんちょーの呼吸一定じゃなかったから。脈とっとこうかと。キヨわからん?」









「俺にはわかんねぇーや。裕介分かる?」









「いいや。でいいんちょー大丈夫なの??」