「り…………?…………お!大丈…………から……」









どこからか声が聞こえる気がした。




でもその声はどこから聞こえるのか、誰のものなのかは分からない。




そもそもあまり良く聞き取れない。




でもなんだろう……戻らなきゃ行けない気がした。




その声についてっていいのかは分からない。




でもなんか……すごい大切な何かから離れてしまった感じが……




帰らなきゃいけない気がしたんだ。




私はその声に導かれるまま、まっすぐ歩いて行った。




進む度に声は大きくなる。ハッキリする。









「璃音!璃音?大丈夫だから。ほらおちついて?ねぇ」









なんだろう、この懐かしい感じ。




知ってる。私は。この人を。




私は走り出した。




そして無意識に言葉に出したのは









「あ……お…………い……せん…………せい?」









そこに居たのは、不安そうな蒼先生と安堵のため息をついた駿太先生だった。









「起きんのおせーよ。ばーーか。」









「おはよう璃音ちゃん。随分遅いお目覚めだねw」









駿太先生の笑顔と、蒼先生の泣きそうな顔を見てやっと気づいた。




私、病院にいる。