璃音ちゃんが運ばれてから1週間がたった。




蒼は4日5日で退院させるつもりだったらしいが、まだ目を覚まさないんじゃ退院どころの話じゃない。




蒼が最近元気がないのは璃音ちゃんのことだろう。




あいつはわかりやすい。




いい意味でも悪い意味でも単純だからな。




噂をすれば蒼が来た。




気付かないふりでもするか。




心配すると気を使うからな。




俺は書類に向き合って頭を抱えた。









「……ねぇ。なにやってんのこんなとこで」





蒼が声をかけてきた。




こんなとこって、医局だよ。俺たちの仕事場だろって突っ込みたいところだがぐっと抑えて……









「あ、蒼!!!!!!丁度良かった!仕事終わらないんだよ!助けてぇ……」









「……助けるかバカ!お前の仕事だろうが。自分でやれ!」





やっぱりなんかかりかりしてる蒼。





流石に心配になったので思わず口を出した。









「そんなカリカリすんなよ蒼。……璃音ちゃんのことだろ。そんなんで不安定になってたらお前の身が持たねぇーよ。」









「……璃音は特別だ。」









「医者が私情を挟むのはいかがなものかと思いますが?」









「分かってるよ。俺にはほかの患者もいるんだ。……でも璃音は……他と同じってわけには行かないんだよ。」









「まぁほかの業務に支障をきたさないなら文句も言えないか……。あんま根詰めるなよー。」









蒼も馬鹿じゃない。




やるべき事はちゃんとやってる。……はず。