璃音のお母さんから、璃音が倒れたと聞いて1週間。




いつもならお母さんから聞いた2日後までには、倒れたとか運ばれたとか自分から連絡してくるくせに、まだ連絡が来ないことに不安を覚えていた。





僕と璃音が出会ってからもう4年目、付き合ってから1年半ほど。




こんなに連絡が来ないのは初めてだ。




流石に長すぎる。




ちょっと、いや、かなり心配だ。









「高龍〜。今日部活OFF……ってまたそんな顔してんの?どうしたのさ?」









小中高と一緒で中学から同じ吹奏楽部に所属している、藤村奏(フジムラ ソウ)。




高龍とは僕のあだ名。




高橋 龍太だから高龍なんだそう。









「いや、璃音が倒れたって聞いてから1週間、何の連絡もなくて。」









「おい、リア充死ね。」









「今はそれどころじゃないだろ?!大丈夫かな……あいつ生きんのかな。」









「そんなに心配なら見舞いでも行ってやれよ。」









「いや、だって部活……」









「だーかーらーー。今日ピアノ調律するとかなんとかで部活OFFになったんだってば!!人の話聞いてた?!」









「……え。まじ?」









「……あ、もうなんか、俺が悪かったんだよな。きっとそうだよな。てか人の話も聞けないぐらい心配してんだから今日行ってこい!これ命令。」









「言われなくても行くわ!じゃぁな!」









「え、あ、おい!帰りのSHRは?!」









「帰る!」









いてもたってもいられなくなった僕は急いで病院へ向かった。