長距離…………やめた方が良さそうだ。
体育は二限。
先生に伝えれば簡単に休めるだろう。
とりあえず、一限の授業を受けて、体育の活動場所のグラウンドへ向かった。
1人で向かっていると、後から声をかけられた。
「璃音ー。」
この学校で私のことを「璃音」と呼ぶのは数人なので振り向く前にすぐ分かった。
「みゆう、どうしたの?」
矢野美有(ヤノ ミユウ)。体育委員をやっている女子。
優しいし、可愛いし、頭がいいし、運動もできる。
みんなが憧れる理想の女子だ。
席が近いため、たまに話す。
「璃音今日体育やる?」
「あー。見学かな。」
「そっか。先生に言っとくね。」
「ありがとう。」
美有が走って校庭に向かってく。
その背中を見ていた時に後から声が聞こえた。
「いいんちょーまた見学?」
「うちペアいなくなるからやめて欲しい。」
「なんで休んでんだろうね。」
「まさかの仮病?」
「あー。あるかも。いいんちょー優等生だからバレない。」