猿とは俺の幼馴染みたいなもの。
平(マサル)だと3文字で長いので猿と呼ぶことにしている。
他人に深く介入しないあたりすごく気に入っていて、和よりは猿と一緒にいることが多い。
登校も猿と一緒だ。
「俺は猿じゃねーよ。黒板に書いてないか?メニュー」
「猿だろ。あ、書いてあるわ。あざっす。」
俺も疲れてんのかな。
堂々と書いてあるのに気づけないなんて……
するといいんちょーが声をかけてきた。
「え?書いてあった?裕介、写真撮って送って」
いいんちょーも気づいてなかったのか……w
「でた。いいんちょーの人任せ。」
「目悪くて見えないんだもんwわざわざそこまで行きたくないw」
「分かったよw後で送っとくな。」
「ありがとう〜」
時には人任せないいんちょー。
全部自分でやってたら倒れるもんな。
……クラスの様子を聞くとなかなか人を頼ろうとしないから、今のうちに頼ってくれるのはいい傾向なのかもしれない……
普段の俺なら他人に頼られるなんて面倒なこと大嫌いなのに
……いいんちょーだけは面倒臭いよりも助けてやりたいって思える。
いや、助けざるを得ないのか?
まぁどちらにせよ、こんな感情を持つのはいいんちょーだけだな。